日向くんは

私に近づいてきて、

目の前に立ちました。


それから私の髪を

掴んでポニーテールを

無理やりほどいて。



「日向、くん」



優しく小さかった手は

大きくなり力が強くなっていました。



「…っ姉さん」



たった三年だけの

可愛い弟。


日向くんは何も言わない私の

制服のリボンもほどく。



「姉さんは前からそうだ。

どれだけお願いしても、

お姫様の役だけはやってくれないっ。



「私は…、

………………あなたの姉ですから。」



日向くん、わかりますか?

どうかわからないでください。