「…お、お願いがあるんです」



やっとのことで私は口を開きました。


二人だけの部室の窓際。


その人はいつもと変わらない

優しい笑顔で私の言葉を待ってくれます。



「ひ、日向くん、

こんなお願い、君は嫌かもしれない。

でも、もし、もしも、

君が許してくれるなら。」



息を飲んで、私のお願いは

ゆっくりと彼の元へこぼれていきます。



「私のドレスを来てほしい。

ぶ、文化祭のMr.レディコンテスト、で。」


「うん、いいよ」