『好きだ、リン…』


鮮やかな橙色の夕日を背に立ち、彼が言う。



その言葉に、驚くよりも先に口から言葉が漏れる。



「っ…!私も…カイ様のことが好き」




私がそう言った瞬間、カイ様に強く抱きしめられた。



カイ様の柔らかそうな髪の毛が、風にふわりと揺れる。



『これからも、お前だけを守り続ける……』


            ~fin~






パソコンの画面からはエンドロールが流れ続けている。



「んー…、やっぱカイ様ルートは最高だよね~」



もう、すっかりぬるくなってしまったコーヒーを飲み込み、そう独りごちる。



カイ様を思い出すだけで、満足感にも似た、形容し難い気持ちで満たされる。



これまで何十本もの乙女ゲームをしてきたが、



この作品は思わず引き込まれるようなストーリーが特に良かった