美都は唇を噛み締め、硬い面持ちで、リビングに入って来る。 「さっきから何をひとりでブツブツ言っていたの」 「いつからいたんだ」 「さっきからよ。誰に謝ってたの?」 「あぁ…。君に、謝る練習をしていたよ」 「あら。ちょっとは反省しましたか?」 美都はツンとして、総之助の隣に座る。 「疑って悪かった。物の位置が変わってたのは、文月のせいだ」