ベランダを通して、寝室の部屋の窓が見える。

電気は消えていた。

美都は寝たのか?そんなことを思った。

そのとき、強い風が吹き、桜の花びらが空を舞った。


「文月……」

小さく呟く。

窓ガラスを開け、リビングへ戻った。再び窓ガラスとカーテンを閉める。

文月が、ソファの隣に立っていた。