スーツの王子様~episode1~

そして、
沈黙が続く中


スーツの王子様が

「ここ辞めろ」



と一言。



多分、今の顔とてもアホ面だと思う。


まぁそれは仕方がない。

やめろと言われてびっくりしない奴はいないはず。




「え…無理ですよ。お金が必要なんです。
何でそんな事言うんですか?
この前の仕返しですか?」


この前よりは少し

弱く言った。


ここでキレたらダメだからね。




「金なら俺がくれてやる。だから辞めろ。」


本当に話にならない。

くれるとかくれないとかの話じゃない。


でも、なんでスーツの王子様は

私にお店を辞めさせるの?



「どうしてスーツの王子様は私を辞めさせたいんですか?」


本当にこの前の仕返しだったら

どうしよう。

嫌だな。

「ここ危ねぇだろ。
身体売るような仕事は辞めろ。
金がねえって言うなら俺がくれてやるし
それが嫌なら俺んとこに来い。
この二択だけだ。」



え、意外な答えが出てきて

私は腰を抜かしそうだった。


この人はどれだけ優しい人なのだろうか


でもこれ以上甘える訳にもいかない私は


断る事にした。



「あの…2つともお断りします。これ以上甘える訳にもいきませんし、でもこの仕事は辞めます。ここまで心配してくれたんで…
でも、私は自分の家もありますので…
大丈夫です。ありがとうございました。」


とペコリと一礼した。