スーツの王子様~episode1~

「 なぁ…お前…何があった?」


いつ聞かれるかドキドキしていた。


答えたくないのが本性だ。

でも。命を掛けてまでも私を助けてくれた。


やっぱり、言うのが常識だろうか…


「 なぁ、俺から助けられたから言うつもりなら言うな。お前が話したくなったら話せ。」



え、読まれてたなんて…




この人は何者なんだろうか?


「 あの…なんであの時…私を助けたんですか?何で命を掛けてでも助けたんですか
?」


私にも黒田さんにも分からない、スーツの王子様だけがわかる事をきいた。


なんかモヤモヤして気持ち悪かったから。



「 あぁ、あれは…分かんねぇ…体が勝手に動いた。つか、何もできねぇお前が刺されるより男の方が痛くねぇだろうが…」


と、ふっと軽く笑った。

この人は何でこんなに優しいのだろうか?


私はこんな優しい人に会ったことが無くて、
こんな優しい事をされた事なんて無くて


安心したせいか


泣いてしまった。