あいつみたいに、俺を捨てるのかって。
俺にはお前が必要なんだって。
そう言われる。
それでも逃げようとするのかって。
私は必要とされてるんだって思うと、その場から逃げれなくなる。
「龍青、」
「なんだ」
「名前呼んで。」
忘れないでね。
もし、会える日がこれで最後だったとしても。
死ぬとかそういうことじゃなくて。
あの親だから学校中退させるとかは平気ですると思う。
毎日あの家に監禁されて。
殺される寸前の状態で日々を過ごすってことがありえないわけじゃない。
「なんだよ急に。」
「いーじゃん。龍青の真似。ほら、早く。」
しっかり刻み込んで。
龍青、すき。
突然に自分の中で溢れた感情は自分でも整理がつかなかった。
でも、納得できた。
犯されてる時も、殴られてるときも、ずっと。
ずっと龍青に助けてって叫んでた。
「凛。」
「えーっ?聞こえないなー。」
「凛。」
優しく、強く。
「………、もう一回ゆって。」
忘れない。龍青と会えたことも、あなたからもらった優しさも、全部。
「…凛。」
瀬尾凛として生まれて良かったって初めて思わせてくれたことも。
「…うん。満足。」
顔を上げて笑うと、龍青は「そーかよ。」って優しく笑ってくれた。
「また学校でね、龍青。」
「待ってるからな。」
「うん。」
強くなるね。1人でも、生きていけるように。
寂しくならないうちに、アパートに戻って家の鍵を閉める。
「龍青、すきだよ…っ、」
こんな汚れた私じゃ、あなたには釣り合わないけど。
もう、伝えれないと思うけど。
私、龍青が大好きだよ。
