大貴の誕生日パーティーがある会場のホールで龍青とちのに合流する。
「龍青、ちの。」
「凛っ!?」
ちのは私の姿を見るとびっくりしたように目を大きく見開く。
「どうしたの。」
「どうしたのって…
綺麗すぎるよ〜っ。」
「ありがとう…っ。
ちのも思った通り似合ってる。」
肩までを露出するデザインのドレスで、ウエストの位置で背中に大きなリボン。
リボンが白。ドレスは裾に向かってほのかなピンクから白にグラデーションがかかっている。
ドールが動いているみたい。
初めてちのにあったときそう思ったことを思い出して私が選んだドレスだった。
「凛の見立てに間違いはないねっ。」
「でしょ?」
何をするわけでもなく、しばらく泰成とちのがだべっていた。
私と龍青はいつも通りそれを黙って見つめてる。
「お前それ…刺青(イレズミ)か」
「…え?…あ、うん。」
背中側の右の肩と首の境目あたり。
大きく黒い薔薇が掘ってある。
衣紋(エモン)を抜いてもらってるから刺青が見えちゃったんだ。
「…興味本位でちょっと。」
引いた、よね。
女が興味本位で刺青なんて。
頭イってんのかって掘ってもらうときも言われたもん。
「龍青。スーツかっこいい。似合ってる。」
「え?ああ、サンキュー…。」
会話がぎこちない気がする。
「あ、そろそろ挨拶始まるんじゃない?
みんな移動してる。」
泰成が会場の入り口を指さしてそう言った。
確かに今まで広間で好き勝手世間話をしていた人たちが続々と会場に入ってる。
たくさんのテーブルに様々な料理が並べられている。
椅子は置かれていないところを見ると、基本的には立ち話を楽しむ感じなのかもしれない。
「ほんとに、こんな世界があるんだ…。」
「それ、私もちょっと思ってたの。
凛ってば落ち着いてるから凛もこういう場に慣れてるのかと思ってますます不安になっちゃってたの。」
「全然。落ち着いてないよ。」
私たちが小声で話していると、
「そろそろ電気消えるけどびっくりしないでいいからね、そういう演出だから。」
と泰成が私たちに囁いてくれた。
