「ちのと凛の家遠いからやっぱ泰成が一番かな?」
「多分俺が早いと思う」
「じゃあ鍵渡しとく。クーラーかけといてくれ。」
帰りはノンストップで、それぞれが分かれて帰る。
「結構時間かかったな…。」
「渋滞ひどかったね。」
「サツに見つかんなくてよかったよ。」
そんな話をしながら、2人でバイクを降りて、自分の部屋へ向かう。
「向こうを5時に出たから帰りは2時間かかってるね。」
「だな。
明日はバイトあるのか?」
「ないよ、お休みもらってる。明後日はあるけど。」
「じゃあ朝はゆっくりできるんだな。」
嬉しそうにほほ笑む龍青はかわいかった。
「そんなかわいい顔しないでくれる?」
麦茶を龍青に出してから、準備をする。
その途中に、急に玄関の戸が叩かれた。
「え…?」
今まで、私の家を訪ねてくる人なんて、いなかった。
それこそ、あの人くらいのものだ。
そうえば昔あの人がこの家に一緒に住んでいたころは、
毎日この時間に帰ってきていたような気がする。
