泰成と大貴とちのは、
私たちより先に浮き輪を膨らませると
先行ってるからなー!と言って海に出てしまった。
「擦り傷とか、どこもねえの?
傷あるのに海入ると痛えぞ。」
龍青はゆっくり浮き輪を膨らませながら私に聞いてくる。
「すこしあるけど、平気。
ちゃんと絆創膏持ってきたし。」
「なら、いい。」
本当は極力服を脱ぎたくないけど、
服の着替えは持ってきていないのでどうやってもワンピースに着替える必要がある。
「龍青、更衣室行きたいんだけど。」
「…水着、中に着てねえの?」
「着てる、けど…」
お腹を見られたら、龍青はどう思うかわからない。
「背中向けててやるから、ここで着替えろ。
…いま、お前を一人にしたくねえ。」
龍青は切なそうにそういうと、本当に私に背中を向けてくれた。
「……、ありがとう」
急いで服を脱いでワンピースに着替えている時。
「……なあ、凛。その傷は、どうしても俺に見せたくねえのか。」
私に背中を向けたまま、彼はそう呟いた。
「……、」
「あいつらが、女一人追い詰めて、何もせず返すわけねえ。
俺も、泰成も、分かってる。
加賀に聞けば、凛を見つけた時どういう状況だったかも、教えてくれる。」
それは、そうだと思う。
あんな奴らが、目的の女散々逃して捕まえて邪魔の入らないはずの状況で、
何もせず見逃すわけがない。
「俺は、お前の痛みも打ち明けてもらえないくらい、信用されてねえのか?」
「ちがう!」
龍青の苦しそうな言葉を聞いた瞬間、わたしは言葉を放っていた。
