もっと、キスして

*RIN’S SIDE*

わたしが逃げこんだのは、駐車場だった。

まだお昼過ぎで、車の多いここは、隠れながら逃げるのに適していたから。

海場からも離れてしまうけど、
龍青ならみつけてくれるという確信があった。


ふと思い出して、自分のポケットを探る。


しまった…ケータイ、向こうに置いたままだ…。
普段全く着信がかかってこないわたしは、ケータイを持ち歩いてることなんてごくわずかだ。

次からはちゃんと持ち歩こう。

…私に次があればの話だけど。

男たちが私に近づいて来てる。
この前みたいなヘマはしない。

反対側に人がいないのを確認するとゆっくりと逃げ出す。

車の後ろに隠れたときだった。

男たちの影が、二手に別れた。
私の隠れている車のところに、挟み撃ちで向かってくる。
1人ずつ向かって来ているから、
もう2人は出た先で待機しているということだろうか。
あと1人急所を蹴り上げたあいつは駐車場の出口から動いていないはずだ。

「これは…ちょっとやばいかも。」

思わずそう口に出してしまうぐらいには、ピンチだった。

とりあえず、男たちが車の角を曲がってくる前に車の間を通って表へでる。

予想通り、2人が待ち構えていた。

まだ、逃げれる。

もう一個向こうの筋まで車の間を抜けて一気に走ったあと、出口まで一気に走った。


「全く…前回といい、今回といい…逃げ足の速いやつだ。
可愛くねえ。」


出口にいるのは、1人だと、思ってた。

もう5人。
頭2人と、もう2人。
先ほどまでは明らかにいなかったやつがそこにいた。