「お前には、俺のそばで笑っててほしいんだよ。
これから先も、ずっと。」
まっすぐに私の目を見てくれる龍青に対して、
わたしは彼の目はおろか、彼のことなんて
とてもじゃないけど見れなくて、
ベランダの、コンクリートを見つめていた。
夏が本格的になり始めた7月中旬。
夜風はまだ、冷たかった。
「命をかけて、お前を守る。
約束する。」
龍青は、黙っているわたしに語りかける。
「凛。おまえが、好きだ。」
優しく、そう言った龍青。
「っ…、」
わたしも、わたしもすきだよ。
でもこれ以上、迷惑かけるわけにはいかないの。
「お前が何を思ってるか、わからねえわけじゃねえ。
お前の過去も全部ひっくるめて、お前に惚れてんだ。」
「…」
「夏、みんなで海に行こうな。」
「その約束…」
覚えててくれてたんだ…。
「行くだろ?海。」
「うん、いく。」
それだけ言うと龍青は頭を撫でてわたしに背を向けた。
