もっと、キスして



「誰が、凛のこと汚いって言ったの…。

そんなひとがいるなら今直ぐわたしの前に連れて来てっ!!」


「ちの…?」



「凛は、わたしがいじめられっ子だったって知ったら汚いって思うの!?」


「なんで急にそんなこ…、」


「大したことされてないけど、私高校の時にいじめられてたの。

根暗で。あまりしゃべらなかったから。


きっと男子にはおしとやかな子って思われてた。


でも体の発育は周りより良くて。


男子からいやな視線を毎日浴びて。


女子からはいじめられてた。」



ちのが泣きながら話したそれは、


今までのちのからは決して想像し難い生活で。



「…うそでしょ…?」


私は、簡単には信じることができなかった。


「本当のことだよ、凛。


そんな私のことを、汚いと思う…?」


「っそんなの!…思うわけないでしょう!?」



ちのは大切な友達だ。


”学校”という場で初めてできた、わたしの初めての友達。


過去に何かあったからと言って、


そんな風に思うなんてあるわけがない。



「おんなじだよ。


自分にとって、もう振り返りたくもないような、


人に話したくないようなそんな過去があったって、


その人を汚いなんて思う人いない。


ましてや、私たちだよ…?


思うわけないでしょ。


何があっても凛は凛。わたしはわたし。


…大切な友達なの。」



ちのは、馬鹿じゃないのと小さくつぶやきながらふてくされていて。



「…わかったら座って。」



ふてくされながら言うちのがいとおしくて。



「ありがとうね、ちの。」



そっとちのを抱きしめた。



「ありがとうちの。私と、出会ってくれて。」



「うるさい…。こっちのセリフだもん。」