もっと、キスして

*RYUSEI'S SIDE*


「どこ?って聞いてるんだけど。


時間がないの。早く答えて。」



突然篠宮が止まったと思ったら、


一人の女からケータイを取り上げていた。



篠宮が手にしていたそれはピンクのガラケーで。


いまの時代高校生がガラケーというだけで珍しいのに、機種もストラップも一緒。


それは紛れもなく凛のものだった。




俺と泰成は篠宮の普段見ない一面に多少驚いていたが、


大貴はなんともなさそうな顔をしている。



知っていたのだろうか?




「北地区、の…空き倉庫…」



それを聞いた瞬間、俺らはすべてを察した。


それと同時に俺は言い表せないほどの怒りが湧き上がってくるのを感じた。



「ちの、もう大丈夫だぞ。」


「…大ちゃん、場所、わかるの?」


「わかる。それから、ここから先はちのの仕事じゃないな。」





元の調子に戻った篠宮を頭を撫でて落ち着かせている大貴をしり目に、


呆然としている女に話しかける。




「てめえ、西煌に売ったのか。」



「りゅうせい、さ」


「きたねえ口で俺の名前を呼ぶな。


質問に答えられねえほど馬鹿じゃねえよな?」



「ごめ、んなさ…」


女は涙を流す。


汚いとしか、思えなかった。



「次お前の顔を見たら俺はまじでお前を殺すかもしれねえ。


退学届けと遺書でも書いとけよ。」



女の胸倉をつかみ、吐き捨てるように言う。


凛の痛みを考えたら本気で殺してやりたくなった。



息が吸えず、苦しそうにしている目の前の女が本気で憎たらしく思える。




ここまでだれかを殺したいと思ったのは初めてだろう。



突きとばすように手を放すと女は簡単に床に倒れ込み、泣きじゃくっていた。