とりあえずわたしたちは先生の所へ行くのはあとにして、ケータイの音の方向をおう。
どこかに、必ず。
と、わたしはふいにすれ違った一人の女の腕をつかんで止めた。
「…は?」
女は鋭くにらみつけるようにこちらを見るけど、怖くなかった。
確信に近いものがあった。
しばらくにらみ合った後、
「ポッケの中身、見せて。」
私は沈黙を破った。
女はすこし、ほんの少しだけ目を見開いた気がした。
ほんとうに少しだったけど、わたしとしては確信をさらに裏付けるのには十分だった。
「なんで?」
「とても大切な友達を探してるの。
もしかしたらあなたがポッケに入れてるものが、
その友達の持ち物なんじゃないかと思って。」
「ちがうから。あたしのだし。」
「とりあえず見せてくれる?
違ったら違ったで謝るし、そのあとあんたは自由だから。
みせて。」
「嫌なんだけど。なんで他人にケータイ見せないといけないの?」
ここの学校の生徒がバカで助かった。
「ケータイ?
私が探してるのは確かにケータイだけど、
わたしはそうとは一言も言ってない。」
