別に、好きじゃないから!

「妹に買ってみたんだけど、良いと思う~?」

ふわふわした様子で幸せそうな龍悟。
買っていたのはまるいビスケットモチーフのハンカチだった。
話によると、小学3年生の妹さんだそうで、そのくらいの女の子にとってはとても嬉しいプレゼントだと思う。

「龍悟、プレゼントのセンスあるね!」

「…マジ?喜んでもらえそう?いぇーーい!」

…うぉ、言っちゃいけないかとは思うけど、…シスコン(笑)。

「よっしゃ!いつものドーナツ屋にれっつごー!」

爽架もテンションは落ちない。
…あれ?

「待って、爽架。玲大は?」

玲大がいない。そういえばしばらく前から居なくなってたような‥…。

ガーー。

雑貨屋の自動ドアが開いて、玲大が出てきた。

「ちょっ、玲大!なにしてたの?びっくりした~」

「…ほら。」

差し出されたのは小さな紙袋。
アクセサリーだけ買った時みたいな、あの大きさ。

「え?」

「お前に買ってきたんだよ。あけてみ?」

言われるがままにあけてみる。

「…わぁ…可愛い…」

中に入っていたのは、ハート型になっている板チョコモチーフのネックレス。
あれ?でも…

「このハート、片方しか無い…あっ!もしかして!」

「うん。ほら。」

そう言って玲大は、自分の首もとからもうひとつのハートを取り出した。

かちゃん。

ペアになっているらしいそのネックレスは、私の心を安心させてくれた。

「つけてやる。ほら、首かして」

そう言われて玲大に背中を向けると、うなじあたりに玲大の息がかかってくすぐったい。

「…っ、れ、玲大…んっ」

「…ぷはっ!なにエロい声だしてんの?」

「なっ、エロくないし!くすぐったいんだもん、玲大の息がかかって!」

ネックレスをつけ終えた玲大は、いたずらっぽく笑う。
その笑顔は私の胸をぎゅぅっとしめつけた。

「不可抗力でかかってんじゃないし。わざとかけてたんだもん」

「なっ!?ひど!」

玲大のおかげで不安もとんだ。
ホント、魔法の力を持ってるよね、玲大は。