爽架のことでいっぱいで、授業はまともに受けてない。
もし玲大を好きだったら?
玲大が爽架を選んだら?

そんなこと無いって思ってる平常心なんてとっくのとうにかき消されてて、不安と焦りが働いている。
早くも下校時間になった。

「ほーの!行こっ!」

「…う、うん、、」

ぎこちなく接してしまう私とは裏腹に、ノリノリの爽架は鼻歌まで歌っている。

「あっ!来た来たー!遅いよ玲大達!」

「わりー。龍悟が日直だったの忘れててさ~…穂乃?」

「っえ?はい!な、なに?」

「なに?じゃなくて、すごい静かだよ?なんかあった?具合とかわりーの?」

わ、すごい心配かけてる。
だめだ私、玲大と爽架がすごい仲良くしてるとこ見ると悲しくなる。
それになんかイライラもして来ちゃった。
私性格悪いし、器もちっさいな~…。

「…大丈夫だよ!ちょっと考え事してただけ。雑貨屋とドーナツ楽しみだね!」

「…そーだな。」

…今、玲大の顔が曇って見えたのは気のせい…?