別に、好きじゃないから!

だんっ だんっ
ボールがバウンドする音が聞こえる。

『リバウンド!』

今日はミニゲームをしてるみたい。
私と爽架は、二階の観覧席から練習を見てみる。

「あ、あれ玲大じゃない?」

爽架が指差した方向を見ると…

ばしゅっ

『ナイッシュー!岩崎!』

見事にスリーポイントシュートを決めた玲大がいた。

「うわ、かっこいいねぇ~!」

「………」

「え、なに穂乃、嫉妬てきな?(笑)」

「…いや、別に。玲大のかっこよさは私だけのじゃないもんね。」

確かにかっこいい。かっこいいけど、こんなにもかっこいい玲大が私の近くにいないなんて。
今まで離れた事なんてないぐらいだから、よけいに辛い。

「────穂乃?」

…え?

ふいに下から声がした。

「と、澤口。」

観覧席から身を乗りだして下をのぞいてみる。

「玲大…」

朝、靴箱の所で会ったきり、今日は一度も玲大を見かけなかった。
思わず涙が出そうになる。 

「…待ってろ、今そっち行く。」

そう言って、玲大はコーチらしき人の所に行った。