早いもので、今はもう放課後になった。
授業の内容なんて頭に入らなくて、最終的には最後のふたつの授業はお腹が痛くなって保健室で寝ていた。
放課後になった今は元気になってるけど、帰る気がしない。

「穂乃!帰ろ?」

スマホをいじりながら黙って席に着いてると、誰もいない教室に爽架が入ってきた。

「部活は?ないの?」

「うん、今日は休み!コーチがまさかの感染性胃腸炎なったらしくて、うつしちゃ今週の大会やばいからって。」

「えっ今の時期かかるんだ。」

「ね!私も時期外れじゃね?って思ったけど、いつでもなるみたい。感染しやすいのが冬ってだけで。」

「へぇ~」

なぜか、帰りたくなかった。
爽架とは帰りたいけど、家に帰りたくはなかった。
玲大と仲直りしてない事が心残りのように思えて、このまま帰るのは嫌だった。

「バスケ部、見に行かない?」