別に、好きじゃないから!

ー穂乃sideー

私は何をしてるんだろう。玲大にしがみついて、帰らないなんて言って困らせて。

「…ごめん、玲大。」

「いや…」

私は玲大からそっと離れた。
玲大が困ってる。玲大に迷惑かけてる。
私がみたいのは、困ってる玲大の顔じゃない!

「ばいばい、玲大。」

玄関にでると、無理にでも笑顔で別れを言う。
そうしないと私がダメになりそうでこわいから、…ごめんね、玲大。

「……」

玲大は何も言わなかった。
私は玲大の家のドアを静かに閉めた。

パタンと閉まる音がすると、私の顔の筋肉が勝手にほぐれて涙が出てくる。

なんで?
元はといえば、私が好きな人を言わなかったからじゃん。そのせいで玲大を傷つけて、せっかく私のことを思ってくれてるはずなのに、勘違いさせたまんま家を出てきたんだ。
誰がきいても、私は自分勝手な最低やろーだ。

「…ごめん玲大…っ」

心の中でつぶやいてるはずなのに声になって出てくる。
街中を泣きながら1人で歩いている高校生なんて、キチガイに見えるだろう。

みんな、私を見ながらなにかを言って通り過ぎていく。

あんな事があっても、隣に玲大がいたらなんて考える私は、ずるいのかな。