別に、好きじゃないから!

勇気を出してそういうと、玲大は呆れたように私から顔を離した。
それがなんだか、私にはすごく寂しく感じた。

「…お前の、好きな奴になりたかったんだけど、無理、だったみたいだな。」

──────え?  今、なんて…

「お前、龍悟のことが好きなんだろ?で、両想いかもしれないんだろ?」

え?

ま、待って、、玲大は何の話をしているの?
私が、龍悟のことを好き?なにそれ、誰からきいたの?そんな噂がたってるってこと?

「…玲大、違うよ、私の好きな人は─────っ」

…情けない。ここまで来て言えないなんて。

「龍悟、だろ?なにが違うんだよ。」

ちがう、ちがうよ、玲大。私の好きな人は玲大だよ!
あぁ、そう言えたら、どんなに楽なんだろうか。そういうことを考えたことは少なくない。

「…送る。帰って。」

「え…」

待って、玲大。まだ私の好きな人を言ってないよ。

今、私はどんな表情をしているのかな。
頬が濡れてる気がする。泣いてるのかな。泣いて、何になるのかな。
勘違いさせて、なのに自分の気持ちが言えなくて、それで泣いて。これって、自分勝手だよね。ずるいよね。逃げてることになるよね。

玲大が部屋のドアを開ける。

なんで私、荷物を持って立ち上がってるの?この部屋から出たくないのに。
大好きな玲大の香りがたくさんするこの部屋に、ずっと居たいのに。

「───玲大っ!」