・・・澪が私になにかを隠してるんじゃ??



そんな言葉が頭をよぎった。



はっとした。

いつからか見始めた夢。



それは澪が私の前に現れてからの出来事だった。



まさか、澪が私の夢となんの関係があるのよ。



そうだ。
もし仮に澪が何かを隠してるとしたって私の夢に影響を与えてる訳が無い。



私は、思い直した。



まぁ、いっか。なんでも。
疲れちゃったし・・・

それに、
家の事情なんて、聞かなければ話す必要もないことだしね。




私は空を仰いだ。



夕暮れの太陽が空を真っ赤に染めている。



「そういえば、空の色って海の色を反射してるから青いんだっけ・・・」



ならば今のこの空の茜色も、海から来ているものなんだろう。


世界は七色に包まれている。

七色全部集まると、無色。すなわち透明になるわけだ。

それを、空気が、赤いこの空と同じ色だけを反射している。



そう考えると、空気が、地味だけど、すごく素晴らしいものに思えてくる。