澪は、聞かなかった。



どんな夢を見たのかと。



私は澪の性格なら絶対聞いてくると思ったから、身構えていたのに。



澪が話していたのは他愛のないことばかり。



よく考えてみると、最初からそうだったような気がする。





あの後、学校をでて、いつもの帰り道を澪とあるいた。


今の学校に入ったのは、家から歩いて通える距離だったから、と言っても過言ではないだろう。



澪は少し遠いようだが、健康のために歩いているという。




・・・ほんとかどうかはわからないけど。




健康に真面目な澪と別れて、私は家路についた。



そこでふと、思ったのだ。


澪は、確かにいつも楽しい話か、あまり内容の無い話ばかりをしている。



自分の家庭の話とか、家がどの辺とか、そーゆーの話していた記憶は、ない。



まぁ、私はほとんど相づちを打つくらいだったんだけど。