「・・・アリカ、泣いてたの??」



「えっ??」



慌てて拭うと、確かに頬は濡れていた。





私・・・あの時泣いてたんだよね。






ごしごしと顔をこすった。




袖は既に濡れていた。



あれは夢だったのだろうか・・・。



いや、夢とは比べものにならないほどリアルだった。




それに、と私は袖口を見つめた。


この濡れた袖があれは夢ではなかったと物語っている。





「なんか、変な夢みたみたい・・・」





「そっか」



澪は安堵の息を漏らした。



「やっぱ、疲れてんだね、アリカ・・・。あっ体調はどう??さっきは具合悪そうだったけど」

澪が眉間にしわをよせた。







今の私には



澪の優しさが





とても・・・






とても、



温かかった。




「大丈夫、だいじょう、ぶ・・・」



気を抜いたら拭ったばかりの頬にまた雫が流れるところだった。