「クロノス、あたしそろそろ高校いかなきゃ」
《……………》
クロノスから返事は返ってこない。
「また、明日ね」
あたしは諦めて、クロノスに背を向けた。
《【人間】平均寿命、男性80.50歳 、女性が86.83歳トイウ短命ナ種族》
「え……?」
急に、クロノスが話し出したため、あたしは立ち止まり、クロノスを振り返った。
《私ガ、【朱里】ト居ラレル総時間数ハ約613,200時間。年数ニシテ約70年》
「クロノス?」
《【朱里】トズット一緒二居ル為ニハ……》
ーパァァァァッ!!!
エメラルドの強い光が、クロノスから放たれる。
「何だ!?あの光は!!」
「きゃーっ!!」
「時計台の方が光ってるぞ!!眩しい!!」
人々の慌てた声が、遠くに聞こえた。あたしはただ、そのエメラルドの光を見つめる。
「クロノス!!どうし……」
《【朱里】》
また、左目が痛んだ。
な、何が起ころうとしてるの!?
あたしは、目を細めて、クロノスを見上げる。


