《【朱里】ハ、私ノ全てデス。人間デ言ウ【心】という習得困難ナ感情ヲ与エテクレマシタ》
「クロノス……」
それは、あたしもなんだよ、クロノス。
こうやって、クロノスと話をしている時間は、本当に楽しかった。
あたしの知らないものを知っていて、分からない事は丁寧に教えてくれた。
友達…親友でもあり、先生のような人。
「クロノス、あたしにとってクロノスも、かけがえのない大切な人だよ」
たとえ、誰かに、クロノスとあたしの仲を認めてもらえなかったとしても、クロノスはあたしの大切な親友なのだ。
「クロノスはとっても長生きだから、あたしが死ぬまでに、あなたに新しい友達が出来たらいいなって思う」
《何故デスカ。私ニハ【朱里】ダケデイイデス》
「でも、あたしは限りあるモノだから、寿命がくれば、クロノスを一人にしちゃう」
クロノスと話せる"誰か"が現れるまで、クロノスは誰かと話さずに、生きていくかもしれない。
せっかく、心を手にいれたのに、それを忘れてしまったら??
「あたしは、いつまでもクロノスに心を失わないでほしいんだよ…」
《【朱里】……》
それっきり、クロノスは黙ってしまった。そんなクロノスに、あたしは、笑いかける。