「朱里、今のはお前が!?」


タスクはあたしを降ろし、驚いたようにあたしを見つめる。


おかしい、左目がチカチカして、よく見えない。


「朱里、お前目の色が……。左目、緑色だったか??」


「嘘…あたしの左目、緑色に…?」


そんな、あたしは黒髪、黒の瞳だよ?
あたしの体、どうなっちゃったんだろう。


それに、あの力…クロノスの声が聞こえた。


「はぁっ、あたしっ……」


考え出したら、気持ち悪くなってきた。
口元を押さえて、俯く。


「朱里、大丈夫か!?」


タスクの心配そうな顔を見上げる。


今は、早く逃げなきゃ…。
これ、長くはもたない気がする。


「タスク…早く、逃げて……」

「っ、分かった!!」


フワッ


タスクはあたしを抱えて、勢い良く走り出す。