いつかの君のセカイ

その後、彼女と5時頃解散した。


もちろん、しっかりと寮の近くまでは送っていった。


俺は6時からバイトがあることを今思い出し焦りながらバイト先に向かうことになった。











私はあんまり人と話すのが得意ではない。


それは目が見えなくなってから人の表情を見れなくなってしまったり、自分の顔の表情が全くわからないから。


でも何故だろう。優先輩にはそういうのを気にしないで話すことが出来た。


助けてくれるくらい心が広くて優しい人だし、少し私に似ている気がしたから。


私は、目が見えないから音にすごく敏感になったし、何も言われないで体に触れられるだけどびっくりしてしまう。


彼はそれを気遣ってくれていたのか、気づかないようなところでも色々心配していてくれたんだと思う。


なんか、彼氏とか出来るなら優先輩みたいな人がいいな!


「なーんて理想が高すぎるか〜」


私は思わず独り言を呟いてしまった。



ピピピピピ!!ピピピ!!

!!?...なんだ、電話か。


え、電話かー!!優先輩早速電話かけてきてくれたのかな!


そんな期待を膨らませて電話に出てみると...



「美優か??おじさんだけど、そっちはどんな感じだ??」


なーんだー、おじさんか〜って一瞬思ったけれどお母さんとお父さんが亡くなってから私を引き取ってくれた叔父夫婦。


今は本当のお母さんとお父さんと思っている。


「なんか嫌な事なかったかい?嫌だったらいつでも言ってくれ。迎えに行くからな??」


「おじさん、心配してくれてありがとう。でも大丈夫だよ??少しハプニングあったけどそれをきっかけに先輩2人と友達になれたから!!」


少し話を盛った。


だって優先輩の友達の空??先輩と全く話してないしそういう友達雰囲気まで達していないから。


でも叔父夫婦を安心させたくってついつい少し嘘ついてしまった。


「ハプニング!?怪我とかなかったか??」


「そうなるかもしれなかったけど、そんな時に先輩がその人を追っ払ってくれたの!!すごく優しい人だよ。」


「そうか、良かった。先輩が友達にになってくれたなら心強いじゃないか美優。」


ちょっとおじさんも落ち着いたようで嬉しそうだった。


おじさんよりも私自身の方が多分喜びは大きいけどね!!





その後、おじさんとおばさんにおやすみなさいって言った直後に担当の先生が来てくれた。


担当の先生の名前は桜井 香先生。


先生になってあんまりたってないらしい。


年齢も大きく離れていないから話しやすいし、ちょっとしたわがままも言える。


先生も私のことを妹みたいに接していくから!!って言ってくれているから嬉しい。


「美優ちゃん。今日のご飯はオムライスでいいかな??」


「先生が作る料理なら美味しいから何でも大丈夫だよ!!」


「嬉しいこと言ってくれるじゃん!はあ、最初に挨拶しに自宅訪問したての頃の美優ちゃんを思い出すよ〜」


実は、先生は私が高校に通うのが決まってすぐに会いに来てくれた。


理由は仲良くなっておきたいから、それだけが理由だよって言っていたけどホントかな??


「初対面なのに先生すごい話しかけてくれて色々お世話になったもんね」


「高校卒業するまでだけど、色々サポートするからね!」


ホント先生は優しい。