君と秘密のラブレッスン


ふたりが騒いでいるのは、隣のクラス、2-Aの崎本飛鳥(さきもと あすか)くんのこと。

私たちのBクラスとは隣の教室だから廊下ですれ違うことだってあるし、選択授業では同じ教室にもなるし。


だから私も見たことはあるけれど、話したことはない。

確かに綺麗な顔をしていて、長身でスタイルもいい。

少し口が悪いような印象だけど、おそらく崎本くんのファンに言わせれば、そういうところも魅力のひとつなのだろう。

何せ、女たらし、なんていう欠点にしか見えないところさえ、勲章にすり替わってしまうようだから。


──別に私だって、美的感覚がおかしいわけではないと思う。

イケメンだとは思うもん。

でもなぁ。

睡眠か崎本くんか、と言われたら、私は迷わず朝の睡眠を選んでしまう。

それに私には、ちゃんと好きな人がいるし……。


そこまで考えて、そういえばスマホを見ていなかったことを思いだした。

HRが終わって、1コマ目の授業の準備をしながら、私はスマホのロック画面を解除する。