「言われなくても、私、言いふらしたりしないよ」
崎本くんの目を見てそう言ったけど、あまり信用してもらえていないようだ。
じっ、と探るような視線を向けられて、居心地が悪い。
何も言わずに見つめてくるから、逃げ出したい気持ちに駆られてしまう。
「もう、信じてよ!崎本くんだって、私の恋愛事情を周りにぺらぺらしゃべったりしないでしょ?それとおんなじ!私だって、喋っちゃいけないことはちゃんと黙っていられます!」
しびれをきらして叫ぶように捲し立てた私に、崎本くんは不機嫌そうに顔をしかめた。
「お前のどうでもいい情報なんかと一緒にすんな」
「……あ、そう。わかった。私、今すぐ放送室に行くね。それで、崎本くんは肌身離さず美少女の写真を持ち歩いてますって叫んであげる」
いい加減我慢の限界だった私は静かにそう言い残して、その場を立ち去ろうと崎本くんに背を向けた。
もう、本当に失礼な人だ、崎本飛鳥。
本気でみんなに言いふらしちゃおうかな。
どうしてあんなに必死にあの写真を隠すのかよくわからないけど、とにかくバラされたくないみたいだし、少し痛い目を見ればいいんだ。
「ふざけんな、なに言ってんだよ」
「きゃっ」


