「へえ。……ちょっと興味あるな。その容姿で周りの男がほっとくとは思えないし。今まで彼氏できなかった理由は何?」
「は?」
探るような好奇の瞳で見られて、私は思わず彼から一歩、距離を取った。
なんなの? その意味のわからない興味の持たれ方。
ていうか崎本くんに興味持たれても全然うれしくないんですけど。
「俺、お前みたいなピュアなヤツとは関係持たないって決めてるんだけどさ」
「はあ」
「こんなに顔と恋愛経験にギャップがある女子は初めて見るから、ちょっと気になる。お前がどんな恋愛するのか」
顔と恋愛経験のギャップって何。
初めて聞いたんですけど。
「えーっと、私のことなんて気にしなくていいよ。放っておいてくれていいし。
私、崎本くんの期待に添えるほど奇特な人生歩んでないから。……じゃあ、私先に行くね」
なんだかこれ以上ここにいても、崎本くんの意味のわからない好奇の目を向けられるだけだと思った私は、さっさとこの場から立ち去ろうとした。
けれど、一歩進んだ足はすぐに歩みを止める。
コン、と爪先が何かを軽く蹴った感覚がしたからだ。
私は思わず足を止めて、足もとに視線を落とした。


