君と秘密のラブレッスン


私は屋上の柵のところまでゆっくりと歩いていった。

風が強い日は、髪は乱れるしスカートは捲れそうになるしで、あまり長居はできないけれど、今日は穏やかに晴れている。

そよそよと木々の葉をなびかせる風が心地いい。

夏の爽やかさに時折交じる秋の涼やかさを感じる、ちょうど今の時期が一番好きだ。



「あ、野球部」

柵に腕を乗せて体重をかけ、下を見るとグラウンドが一望できて、部活中の運動部がよく見える。

そのなかにキャッチボールをしている野球部員が見え、私は思わず呟いていた。


この高校の野球部はそんなに強くないし、部員も少ない。

勉強中心の高校だから、部活をするためにこの高校に入ってくる生徒なんて聞いたことないし。

ここから見える野球部の雰囲気もとても和やかで、みんな楽しそうだった。

私が知っている野球部は、練習中に笑いあう、なんていう雰囲気ではなかったから、なんだか新鮮。