君と秘密のラブレッスン



あー、もう。

そうだったよ。

真嘉の部活が終わるのは夜だろうし、私が急いでも意味ないじゃん……。


「はぁ」

思わず溜息を吐いた。


テストが近いし、もやもやした気持ちを紛らわすためにも、部屋に帰って課題を終わらせようかとも思ったけれど……。

なんだか、そんな気分にはなれなかった。

たぶんこのまま机に向かっても、勉強なんて手に付かないと思う。



私はもうひとつため息をついて、歩きだした。

気持ちが沈んでいるときやひとりになりたいときは、あそこに行くに限る。

私はくるりと方向転換をすると、さっき下りてきたばかりの階段をのぼり、最上階も通り過ぎて。

辿り着いたのは、重そうな扉の前。

私はためらいなくその扉をあける。

瞬間、ふわりと風が吹き込んできた。


「……はー、気持ちいい」


ご丁寧にベンチや植栽まで整えられた屋上。

お昼休みは結構混むけれど、放課後はあまり人がいないから、存分に眺めを満喫できる。

放課後の屋上は広い空を独り占めできるようで、私のお気に入りの場所だ。