「実は私、好きな人がいるんだけどね」
「ああ、前言ってたよね。中学の同級生でしょ?仁科くん、だっけ」
私のひとことでサラリとそこまで言い当てた新菜に、驚いてしまう。
「えっ、新菜にそこまで喋ったことあったっけ?」
もしかしたら、好きな人がいる、程度は話したことはあったかもしれないけど。
私、新菜に名前まで言ったの?
全然記憶にないんだけど。
「毎日一緒にいるんだし、それくらいわかるよ。『仁科くんからLINEだ!』とか、時々嬉しそうにスマホと会話してるじゃない」
こころなしか表情を和らげて、新菜がそう言う。
やっぱり新菜は私のことをよく分かってくれているんだな、なんて感動してしまったけれど。
ふと新菜の言葉にひっかかりを覚えて首を傾げる。
「……スマホと会話?仁科くんと会話、ではなく?」
訊ねた私に、新菜はあははと軽やかに笑った。
「だって、電話してるところは見たことないし。LINEが来たときのつぐみの嬉しそうな独り言しか印象にない」


