紅の印

そりゃあ‥…私だって敵国になんか行きたくないよ?


ましてや結婚だなんて‥…‥…


こんな生まれの私にだって夢があるの


いつか恋をして、その相手と結ばれて幸せな家庭を築く


裕福でなくたっていい


王族でなくたっていい


私を必要としてくれる人と一緒に過ごしたい


ただ、それだけが望み



出来ることなら行きたくないって言いたい


でも反論したところで意味はない


私の意見を聞いてくれる人なんてこの城にはいないのだから


今回だってどうせ……