この青空が溶けて見えなくなる前に。




あれから1時限目の数学は見事に当てられ、教師用じゃないから当然答えが書いてないわけで。



答えが分からず先生に予習してないことがばれ、先生にからかわれるという恥をかいた。



そして放課後。
移動教室が多くて朝以来大ちゃんに会えてないから、帰りのついでに大ちゃんのいる数研へと向かう。



「…大ちゃんが教師用の教科書貸してくれればあんな恥かかなかったのに」



こうなったら朝いじめられた仕返しに何かからかってやろうか。



なんて考えながらも結局数研に着くまで仕返しは思いつかず、数研前まで来てしまった。



戸を開けようと手をかけた次の瞬間。



「……そ、今度の日曜日。
お前空いてるって言ってただろ?」



大ちゃんが誰かと話してる声が聞こえて、手を止めた。



戸の窓から覗けば大ちゃんは誰かと電話をしていた。
あの朝見た眩しい笑顔で。



「その日丁度みんな都合いいからさ、空けといて。
家まで迎えいくからちゃんと準備しとけよ?」