陽だまりのなかの僕ら



「それにしてもここ綺麗よねぇ。」

お弁当を食べ終わった藍実は、柔らかい芝生にぱたっと倒れながら、大きくため息をついた。
私も食べ終わったし、寝ようかなぁ。
そう思って藍実の方をチラッと見た。

芝生の薫りつきの風が、藍実のスカートにひらひらといたずらをしていた。


「食べてすぐ寝るなんて、牛のすることだよ。」
隆貴が空っぽのお弁当箱を片付けながら藍実に向かって言う。

「うるっさい!」

藍実が最近ダイエットを始めた事を知っている私は、ぷぷっと笑った。
そしてそのまま藍実のお腹にダイブ。

「あっ、詩麻どうしたの。」

ふいに藍実が起き上がる。

長い髪の毛がサラサラと揺れた。

「・・・たとえばの話でさ。」

私は、木漏れ日のひかりを、手を伸ばして掴むふりをした。
そして、木漏れ日のまぶしさに目を細める。

「・・・もし、今日で私たちはお別れだ、もう一生、逢えない。って言われたら、どうする?」

自分でも、何を聞いてるのかわからなかった。
みんな、寝転がる私を見て黙り込む。


「・・・もし本当に」

おうちゃんが喋り出すと、みんないっせいにおうちゃんに視線を移した。


「本当に、逢えなくなるんだったら。俺はあえて、逢わないよ。」

意外な答えに、私は息を呑んだ。
そして、ぎゅうっとスカートの裾を握る。
静かに起き上がり、おうちゃんを見つめた。

「だって、そんなの泣くじゃん。逢えなくなるなんてさ。」

おうちゃんの瞳が哀しそうに揺れた。
瞼を伏せて、長い睫毛がカーテンをかける。

「・・・泣く姿なんて、弱いところなんて、見られたくないんだよ。」