私は中庭をぐるーっと見渡しながら、玉子焼きを頬張った。
遠くから微かに、おうちゃんと隆貴をさがし回る取り巻き女子たちの黄色い声が聞こえた気がした。
私はそれを無視して、大きく深呼吸。
「あっ、これ美味しそう。もーらいっ。」
そう言って隆貴のお弁当から唐揚げをひとつつまむ藍実。
「ちょ、俺の大好きな唐揚げをよくも・・・」
隆貴が言いかけると、藍実が隆貴の口にブロッコリーを突っ込んだので、隆貴はそれっきり喋らなくなった。
ふたりのやりとりから視線を移し、おうちゃんをチラッと見やる。
小さく、おうちゃんが咳をした。
不意に、おうちゃんと視線が重なり、おうちゃんが柔らかく笑った。
心臓が軋むように鳴る。
私は慌てて視線を逸らし、ウインナーを口に入れられるだけ入れた。
