私はひとりぽーっとしながら、藍実たちと一緒に中庭に向かった。
「うわぁ、中庭なんていつぶりだろーっ」
藍実が伸びをしながら、あたりをキョロキョロした。
中庭は、お昼を静かに食べたい時の穴場スポット。
あとは、カップルがイチャイチャするのにも使われてたりするかな。
でも、なんでみんなここで食べないのか不思議なくらい、とても綺麗。
芝生は綺麗に刈られ、ときどきハートの模様なんかも作ってある。
不思議の国のアリスみたいな、そんな感じ。
今は夏だから、中庭のところどころにひまわりが満開に咲いていた。
中庭の真ん中には小さな噴水があって、そこには鯉がゆうゆうと泳いでいる。
ただ眺めているだけでも、とても心が和む気がする。
「確かに久しぶりだね。」
私は藍実に言った。
でも、人目につかないから、なかなか人気がないのかもしれない。
実際、私だって存在すら忘れていたのだから。
人間、そんなものなんだ。
「じゃっ、食べましょーっ!」
隆貴の一声をかわきりに、私たちはお弁当を頬張った。
