そのままパジャマに着替えて、リビングに戻ろうと、廊下に出る。
やっぱり夜になっても夏は暑くて、でも時々優しい風が吹いて。
それでさえも私にとってはもどかしくしかなくて。
リビングに戻る途中の廊下で足を止め、窓の外を眺める。
星がきれいで、でも、何故か切なくて。
この気持ちの正体さえ分かれば、苦しむこともないのに。
わかりたいけど、わかりたくない自分もいた。
・・・藍実に相談してみよう。
彼氏はあまりいたことはないけど、そういったところでは勘の良さそうな藍実だから。
夜空を眺めながら、物思いにふける。
そして、無意識に窓を開ける。
めずらしく、快い冷たさの風が吹き込んできた。
夏の虫が合唱をしている中、それ以外の音は何も聞こえなくて。
ただ、夜にむなしくなく虫たちの合唱だけが、響いていた。
目をつむり、まだわたしたちが何も知らなかった頃を思い出す。
―――・・・あの時が一番楽しかった。
頬になにか熱いものが伝わる。
「あ・・・」
なに、泣いてるんだろ。
最近涙もろくなったなぁ。
私ももうすぐおばさんかな・・・
そう思って、振り返る。
