次の日。
「お仕事終わった?」
けっこう遅くまで頑張ってたようですね死神さん。
「終わりました。これで堂々と行動できます」
満足そうにそう言って、私にお弁当を渡してくれた。
「お疲れ様でした。では行ってきます」
いざ出社。
あぁ昨日までと景色が違う。
恋って不思議。
ご機嫌で会社に到着。
今日はお茶当番だ。桜子ちゃんに今日こそ話をしよう。
たとえ桜子ちゃんが平野課長を誤解していても、私は平野課長に夢中だって素直に言おう。
誤解があったら誤解を解こう。
そして桜子ちゃんと桜子ちゃんの彼と、私と平野課長とダブルデートをしよう。
うん。それを目標に頑張ろう。
きっと桜子ちゃんも平野課長を好きになってくれるはず。
そう考えながら湯のみを並べていると
あれ?この湯のみは誰だっけ?誰か新しいの買った?
「ごめん遅れた」
桜子ちゃんがやってきた。
「いいよ大丈夫。ねぇ桜子ちゃん。この黒い湯のみって誰のだっけ?」
目の前の疑問を桜子ちゃんにぶつけると
「どしたの急に?経理係長のでしょ」って普通に返事。
経理係長?あれ?経理は課長しかいないよ。係長っていないよね。
頭の中に疑問を持ちながらお茶の用意をしていたら
「今日はなーんか綺麗ですね。土屋留美さん」
桜子ちゃんは、ふざけてそんな声を出す。
「普通だよ。普通」
「声が高くなってるよ。はっきり教えなさい」
「お茶を出し終わったら話す」
「よし。じゃぁ行くか。私は手前の方やるから、留美は経理の方行って」
「了解」
「最初から最後まで話しなさいよ」
綺麗な顔でギロリとにらまれてしまった。
はい。お茶を配り終わったら全て話します。



