まあそれと…

チラッと隣を歩く下梶を見やる。

なんとなく、こいつと…

「久瀬君、私も女子なんだけど…」

考え込んでいる途中で、

不意にそう言った下梶にはたと足を止める。

なんか前もこんな会話をした気が…

けど、

「友達だから?」

「!…ふふっ、そっか」

そう言って嬉しそうな表情をする下梶。

…俺の隣でそうやって笑ってんのは、

例え"女子"だとしても悪い気はしない。

なんだか心があったまるような感覚を感じ、

鞄取ってから帰るね、と言った下梶と別れて、

いつもより軽い足取りで家まで帰った。