「っ…なっ…「ん」

そう言ってスッと差し出される手。

その仕草にドキッとして、

こたえるように手を重ねる。

ドキン…ドキン…

「…行くか」

「っ…うん」

そう言うとちょっとはにかみながら微笑み合って、

廊下を歩き出す。

その間他の人たちからの視線は絶えなくて、

でも決して心地悪いものじゃない。

なんだか幸せで、温かくて、

久瀬君を見ると、やっぱり好きだなって感じる。