大丈夫かな、久瀬君。

まだよくわからないけど、

絶対いい人だと思うし。

…ほんっとに勘なんだけど。

でも女性恐怖症かぁ…

昔なにかあった、とかなのかな…

って、なんで急に久瀬君のことを思ったんだろ?

そう思ってため息をついて

チャイムの音と同時に鞄からペンケースを取り出す。

…でもまあやっぱり気になるじゃない?

実はイケメンで、でも学校では地味で、

しかも女性恐怖症って…

気になる要素しかないよ!!

…それになんとなく、

久瀬君とちゃんと喋ってみたい気がする。

ほんとになんとなく思っただけなんだけど。

私はそう思って再びため息をつくと、

シャーペンを取り出して姿勢を正した。