久瀬くんは〇〇恐怖症

そう言った杉浦君にじゃあいこっか、と声をかけて、

2人で廊下を歩いていく。

「なんかあれだよな。
前まで毛嫌いされてたのに、
今では並んで廊下歩いてるってなんか変な感じする」

確かに…

「慣れって怖いね」

「いやいや、そこはさ?
杉浦君の良さがわかったから〜とか可愛く言うとこじゃねぇの?」

そう言った杉浦君に思わず笑いが溢れる。

「ふふっ…」

「…やっと笑った?」

「ふふっ…うんっ。
ありがと」

そう言って隣に立つ杉浦君を見上げると、

杉浦君は少し顔を赤らめる。

「いや、これくらいならいつでも。
なんつっても"こんなときの杉浦君"だしな」

「あ、そうだったね」

そう言って再び笑いながら図書館に入ると…