久瀬くんは〇〇恐怖症

「下梶〜」

「ちょっと杉浦っ!
今ね、優雨は傷心中なの!
声かけないでくれる!?」

噛み付くようにそう言った夕実に、

苦笑いでいいよいいよ、と言って

杉浦君に向き直る。

「杉浦君、どうしたの?」

「あー…いや、特に用はねぇんだけどさ…」

「じゃあさっさと自分の席帰れば?」

そう言ってツーンと顔をそらす夕実。

夕実様、怖いよ…

苦笑いしていると、

「つ、津賀さん、
ちょっと来てください…!」

「え?あ、ちょっとっ…」

隣のクラスの男の子が来て、

夕実を連れ去って行った。

うん、あれは…

「絶対告白だな」

「うん、さすがだね」

夕実って美人だから人気あるんだよね。

あの感じだと、しばらく戻ってこないかな。

「杉浦君、私図書館行くけど一緒に来る?」

「ん?あー、行こっかな。
どうせ暇だし」