久瀬君の言葉にそう返しつつ、

少し戸惑いがちに

私と久瀬君を見る結奈ちゃんを見る。

「っ…あの、でも、私用事思い出したから帰るね。
今日はありがとう、また学校で。
結奈ちゃんも…」

「あ…うん。なんかごめんね?」

「っ…ううん」

私はそれだけ言うと

呆気にとられている久瀬君と、

同じく少し戸惑っている結奈ちゃんから目を背けて走り出す。

ドクン…ドクン…ドクン…ドクン…

心臓にこんなに嫌な音を立てるのは

嫉妬のせいなのかな。

そう考えながらだんだん走る速度を緩めていく。

幼なじみか…

久瀬君、警戒とかなんにもせずに

普通に喋ってた。