そう挨拶を交わし合い、

結奈ちゃんが久瀬君に向き直る。

「あ、それでね皐月、
今度またこっちで住むことになって…」

「へえ…学校は?」

「ふふっ、皐月と一緒のとこ!
さっき皐月の家に挨拶に行ったんだけど、ここで会えてよかったっ」

そう言って可愛らしく微笑む結奈ちゃんと、

結奈ちゃんの話に相槌をうつ久瀬君の姿が、

なんだかすごく…

…お似合いに見えて。

ぎゅっと胸元を握るのと同時に、

これ以上見ていたくないという思いから

思い切って声をかける。

「あ、あのっ」

「ん?」

そう言ってこっちを見た2人に

少し無理に笑って見せる。

「2人、久しぶりに会ったんだよね?
募る話とかあるだろうし、私はもう帰るね」

「いや、別に…。
それに図書館行くって話してたとこだろ?」

「うん、でも…」