"お前だから"って響き…

久瀬君は特に意味なく言ったんだろうけど、

私の中では…

ドキン…ドキン…ドキン…ドキン…

…こんなに胸が高鳴るくらい、

特別な言葉に聞こえて…

「あり…がと…?」

「なんで疑問系なんだよ?」

そう言ってフッと笑う久瀬君に

一層大きく心臓が音を立てて。

…好き…好きだよ、

久瀬君が好き……

どうしようもなく、そう伝えたくなる…


キーンコーンカーンコーン…

その音にはっと現実に引き戻された。

それと同時に久瀬君が時計を見る。

「もう予鈴の時間か…
じゃあまた連絡する」

「う、うん、またね」

そうしてまだ胸の高鳴りが収まらないまま、

5時間目の教室に向かった。